乳腺外科

手術などの治療法

整容性を考慮した乳房温存手術

乳房部分切除術(乳房温存術)は腫瘍とその周りの正常組織を取り除き、周囲の乳腺組織を寄せて形を整えます。
がんの根治を徹底するとともに、より手術前に近い乳房の形を形成するための工夫を凝らした手術を実践しています。
正常な部分の乳房を温存することができる、手術侵襲が少なく痛みが少ない、回復までの期間が早いというメリットがあります。

乳房再建手術

乳がんの切除手術と同時に、または乳がんの手術が終了し術後の薬物治療が終了してから、乳房再建術を行うことができます。形成外科と連携して乳房再建術を行っています。
がんの根治を徹底するとともに、より反対の乳房と変わらない形状に再建できるよう工夫を凝らした再建手術を実践しています。

ダメージレスな腋窩治療の実践

かつて腋窩リンパ節転移があれば腋窩リンパ節転移を切除する方針が主流でした。
近年新たな知見により1-2個のリンパ節転移に対しては腋窩リンパ節への放射線治療によって良好な成績が得られることが明らかとなり、対象となる患者さんでは腋窩リンパ節転移があっても手術による切除を回避することが可能となっています。

遺伝性乳癌を考慮した術式選択

2020年4月より遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)の検査が保険適用となり、手術前に遺伝性乳癌の検査を行い手術の術式に反映させることが可能となりました。
当院は北陸初の日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構(JHOBOC)の認定を受けた認定施設であり、遺伝診療部との連携により検査前からの遺伝カウンセリングを受けて頂くことができます。
遺伝情報に基づいた最適な治療の選択、予防医療を提供し、ご家族を含めたトータルサポートを行っています。 

多遺伝子アッセイ(Oncotype DX)

抗がん剤治療の上乗せ効果を遺伝子検査で測定し、術後抗がん剤治療が必要かどうかを遺伝子レベルで検証し治療方針決定に役立てることができます。
欧米ではスタンダードとなっている最新の個別化医療です。

頭皮冷却(Paxman Scalp Coolingキャップ)

化学療法中に頭皮冷却装置の併用を行うことで化学療養による脱毛を減らすことができます。

妊孕性温存

乳がんに対し使用する抗がん剤治療により卵巣機能障害が生じる可能性があります。また内分泌療法中も妊娠を避ける必要があります。
がん治療を開始する前に、妊娠するために必要な能力(妊孕性)を温存するための対策として卵子凍結、受精卵凍結を行う専門施設への紹介を行います。

就労支援

治療を受けながら仕事を続けたい方のため、ソーシャルワーカーや社労士との連携を行っています。

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