小児外科

手術などの治療法

患児に優しい手術

腹腔鏡下経皮的腹膜外閉鎖術
Laparoscopic Percutaneous Extraperitoneal Closure : LPEC法

手術方法は臍部から3mmのスコープを挿入し、腹腔内から内鼠径輪(ヘルニア門)の開存を確認し、糸を把持しながら運針を行う事ができるLPEC針と呼ばれる専用の道具を用いて体外から内鼠径輪を縫縮する方法です。
本術式の最大のメリットは片側症例の場合でも対側の内鼠径輪の開存を確認する事が可能であり、予防的手術を同時に行える点であります。
また創部は臍部の創以外には2mmの補助ポートの創とLPEC針(19G)の創のみであり、整容性にも大変優れた術式と言えます。

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右鼠径ヘルニア
右鼠径部の膨隆を認める
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単孔式経臍腹腔鏡補助下虫垂切除術
Trans Umbilical Laparoscopic-Assisted Appendectomy : TULAA法

単孔式経臍腹腔鏡補助下虫垂切除術(TULAA法)は臍部からスコープと鉗子を挿入し、腹腔鏡補助下に虫垂を臍部に誘導して切除する方法です。
本術式は臍部の創からのみで手術を行うことができる為、整容性にも大変に優れ、術後の回復も早いのが特徴です。また、腹腔鏡を併用する為、切除後の腹腔内の観察が可能です。
出血やその他合併症の検索や腹腔内の洗浄・吸引をしっかりと行う事で術後の遺残膿瘍の発生を抑え、安全性をより高める事が可能です。

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臍部からの虫垂の切除
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術後1ヶ月目の創部
臍部の創は目立たない

小児がんのチーム医療

小児がん(悪性腫瘍)では小児科血液・悪性腫瘍グループ、放射線治療科、核医学診療科等と連携しチームとして集学的治療を行っています。
小児外科は手術による腫瘍摘出だけではなく、抗がん剤投与を行う特殊な血管内カテーテルの挿入(支持療法)、緩和医療など多くの場面で小児がんの患者様に携わっています。

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上腕からのカテーテル挿入
患児の日常生活の負担を軽減
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在宅経肛門的洗腸療法

二分脊椎症・脊髄損傷により排便に不自由をきたすことがあります。その子のライフステージに合わせた排便管理をご家族と一緒に考えさせて頂きます。
当科では学童期以降には在宅経肛門的洗腸療法を導入しています。
少しでも排便に悩む二分脊椎症・脊髄損傷の患者様やご家族のお役にたてることができるよう取り組んでいます。

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ペリスティーンアナルイリゲーションシステム
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